リニアモーターカー

いい話だったので一つ

【一筆多論】五十嵐徹 我田引鉄とはこのことだ (1/3ページ)
2008.11.3 09:03

 JR東海が社運を賭ける夢の巨大プロジェクト、リニア中央新幹線計画がまた一歩、実現に向けて前進した。

 同社は先頃(さきごろ)、具体的に3つの運行ルートを示し、いずれについても建設は可能とする
地形地質調査の結果を国土交通省に提出した。米国発の金融危機で世上は憂鬱(ゆううつ)なムードで
いっぱいだが、その中で数少ない明るい話題といえる。

 計画では、平成37年に東京−名古屋間でとりあえず先行開業し、最終的には東京−大阪間を、
わずか1時間で結ぶ。

 総工費は10兆円とする推計もある。一私企業としては過大とも思える巨額のプロジェクトだが、
それでも同社が全額自己資金での着工も厭(いと)わぬ覚悟で取り組むのは、企業としての生き残りが
懸かっているからだ。

 収益の大黒柱である東海道新幹線は輸送力が限界点に達している。路線の構造上も現状以上の
高速化は望み薄だ。なにより近未来に予想される東海地区の大規模地震が経営の最大リスクとなっている。

 リニア線は東海道線のバイパス線として、このリスク分散に役立つほか、東京−大阪間の旅客輸送を
二分している航空機との競争でも圧倒的な優位に立てるとみられている。
 とはいえ、計画が同社の思惑通りに進むかは別で、先行きは依然不透明なままだ。最大の問題は
ルート選定を巡る地元自治体との調整、その背後に控える政治の介入との戦いである。

 いかに自己資金での建設とはいっても、新幹線新線の建設は全国新幹線鉄道整備法で国の認可が
必要と決められている。行政の目からの安全性チェックなどが理由だが、政治の暗躍を許す背景にもなっている。

 案の定、金子一義国交相自民党堀内光雄リニア特命委員長(山梨2区)など政府与党関係者からは、
着工には地元の理解取り付けが不可欠とする牽制(けんせい)の声が早くも飛び交う。

 JR東海としては、3ルートのうち当然ながら南アルプス直下を貫通する「直線ルート」が計画の基本だ。

 距離が短ければその分建設費は浮く。停車駅は極力少なくし、時間短縮を最優先する考えだ。
それはリニアの高速特性を生かす上で理に適(かな)っているだけでなく、国民のニーズにも沿っている。

 これに対し、沿線の各自治体は一つでも多くの停車駅誘致を目指して「迂回(うかい)ルート」を強く主張している。
長野県の村井仁知事は、環境問題を持ち出して「影響を被る地元に利益が還元されないといけない」などと
一歩も退かない構えだ。

 ところが同じ県でも、事情が異なれば意見も違ってくる。どのルートでも沿線にあたっている飯田市
「最短距離が一番環境に優しい」(宮島八束商工会議所会頭)と直線ルートにむしろ理解を示すのである。

 要は自らの利益に合わせ理屈はどうともつくということだ。まさにご都合主義。日本の交通体系はかくあるべし
といった国家全体からの判断などそこには皆無といっていい。政治がそれに引きずられ、行政も漫然と従ういつもの構図だ。

 高速料金の値下げ・無料化論議も同じだ。与野党とも総選挙近しで競って口当たりの良い公約を乱発する。
だが、その原資は結局、国民のツケとなることには口をつぐむ。これでは何のための道路公団民営化か。
まさか、お忘れではなかろう。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081103/plc0811030906002-n1.htm

( ;∀;)イイハナシダナー
江戸時代からやってること変わらないという
これぞ政治これが政治